南の島々の憂鬱

そろそろ、夏休みの計画を立てていらっしゃる時期かと思います。青空と白い雲、どこまでも広がる海……イメージがふくらむ南の島。ところが、そんな島々を悩ませる問題が地球規模で起きているのです。

南の島の大統領 ─沈みゆくモルディブ─』(原題 The Island President)というドキュメンタリー映画が、8月に公開されます(8月10日~新宿K’s cinemaにてロードショー、全国順次公開)。海抜平均わずか1.5mの小国、海面があと1m上昇すると国土の80%が水没、2100年には国土消滅の恐れがあるインド洋の島国モルディブ。“パラダイス”と形容される世界有数のリゾート地は、長く独裁政権が続いていました。2008年、モルディブ初の民主的選挙で新大統領に選ばれたのが市民活動家のモハメド・ナシード。

モルディブ共和国とモハメド・ナシード大統領(映画撮影当時)

彼は閣僚らとスキューバ・ダイビング・セットを身に付け、世界初の“海中閣議”を開催し、「地球温暖化に対して何もしないと、モルディブはこうなる」というメッセージを発信。世界の大国相手に、水没化危機を熱く叫び始めました。

世界初の海中閣議


圧巻は、2009年12月7~18日にコペンハーゲンで開催された「第15回気候変動枠組条約締結国会議」(通称COP15)、不眠不休で各国首脳を説得するナシードのパワー。我らが日本はカケラも登場しませんが……。撮影クルーは報道陣としてではなく、モルディブ代表団の一員として参加できる資格を与えられたから撮影できた、リアルな国際政治活動の現場。国と地球環境を守るために闘う男の、痛快ドキュメンタリーです。

*2011年トロント国際映画祭ドキュメンタリー映画観客賞、2012年サンダンス映画祭ヒルトンワールドワイド・ライトステイ・サスティナビリティ賞、2012年第25回東京国際映画祭naturalTIFF部門正式出品作品
naturalTIFF部門:2008年から設けられた「地球環境」「自然との共生」をテーマにした作品部門。この年から、レッドカーペットがペットボトルをリサイクルしたグリーンカーペットになった。
*映画完成後の2012年、クーデターによりナシードは辞任を余儀なくされたそうです。

 
 
同様に、海に沈む島として取り上げられることの多い島がツバル。こちらは南太平洋オセアニアに位置します。
サンゴ礁の上に砂が堆積してできた島なので、満潮時に海水面以下になる地域では、地盤(サンゴ礁)の穴を通して海水が地面から湧き出して来るのですが、これは温暖化によって初めて生じるようになった訳ではないそうです。とは言っても、海水の湧き出しによる洪水被害はツバルが抱える深刻な問題です。海抜は最も高いところで5m。長期的には海面上昇への対策も必要でしょう。

ツバルについて調べていたら、こんな素敵なポエムをみつけました。

南太平洋オセアニアに位置するツバル

神さまの国 ツバル
ぼくらはそこに すんでいる
金も銀も なーんにもないが
ぼくらはちっとも 気にしない

あなたは やさしく あたたかい
あけぼの近く よせ波ひびく
浜辺にあなたの 声をきく
あなたをたたえる 声をきく
あなたをたたえる 声をきく

(在日ツバル名誉総領事館サイト/Embassy Avenue内 トップページより引用)
*外務省に問い合わせましたが、現在、在日ツバル名誉総領事館はないらしく、出典を確認できませんでした。

ツバルの国歌(および標語)は『全能の神のためのツバル』。国歌の英訳歌詞と上記のポエムは内容が一致しませんでしたが、ポエムの“あなた”は“God Almighty”だと思われます。ポエムから、島の人々の素朴な心持が伝わる気がしました。

さて、弊社で取扱っている遮熱・断熱塗料「プロツバルⅦ」。株式会社日本プロツバルが、JAXAの宇宙開発技術を基に開発した省エネ塗料です。その名前は、地球温暖化による海面上昇の影響で沈みゆくツバルを、日本の先進技術で護る(プロテクト)意味を込めて命名されています。
この夏は、“南の島々の憂鬱”に地球環境の観点から想いを馳せてみたいものです。

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